・打撃で「最も飛距離が出る方法」を物理学の研究を用いて説明してみた。
・センター方向に打球を飛ばすと他の方向と比べ、飛距離が出るという研究結果が出ている。
はじめに(どこを狙って打つのがいいか?)
イリノイ大学と中央大学の研究(調査結果)
2020年にイリノイ大学で研究された結果によると、打球はセンター方向がもっとも飛距離が出ると述べられています。
MLBのStatcastフライボールデータをもとに研究されました。
イリノイ大学のアラン・ネイサンはボールの飛距離はボールのスピンと関係しているという仮説を立て、打球確度、スピン速度、スピン軸を計測し、どの打球方向の時にもっとも飛距離がでるか研究しました。
簡単に説明すると、アラン・ネイサンは、投げられたボールに対するバットの角度の違いで、スピンの軸が変わり、それが飛距離に影響していると結論づけました。
具体的には、センター方向に打球が飛ぶ場合、ボールの進行方向に対して正面からバットが当たり、来たボールに対してほぼまっすぐの回転軸でボールのスピンが生み出されるため、回転軸がずれないことにより飛距離が出ます。
逆に右方向や左方向に打球が飛ぶ場合、ボールに対してバットが斜めから当たり、回転軸がずれ、サイドスピンがかかることにより飛距離が出なくなります。
つまり、サイドスピンになってしまうような、右方向や左方向は飛距離が出にくいということです。
※研究論文「Why Does a Fly Ball Carry Better to Centerfield?」(2020年 イリノイ大学)より
2018には中央大学にて、打球方向と飛距離についての研究がされていました。
この研究では、バッティングにおけるレフト方向,センター方向,およびライト方向に向かうスピン特性を含む三次元野球運動学について述べらています。
軌跡はセンター方向と比較し、センター以外に向けた場合の方が相対的により湾曲していた。したがってセンター方向以外の打球にかかる直線距離は類似の初期速度と発射角度にもかかわらずより短い傾向があったと述べられています。
結論として、打球方向により、スピン特性、特にサイドスピン作用が異なり、これらの特性がボール軌道と飛行距離に影響することを発見したと述べられています。
つまり、この論文でも、サイドスピンになってしまうような、右方向や左方向は飛距離が出にくいということですね。
※研究論文「野球における三次元打球:効果飛行距離に対するボールスピンの影響」(2018年 中央大学)より
コメント
コメントを投稿