アレックス・ラミレス ~無駄な動きを削り、右ストレートで押し込む~

選手そして監督としても結果を残しているアレックス・ラミレス。 
今回はこの打者について打撃理論を紹介する。

|特徴と成績

    -体格・生年月日
        -身長/体重:180cm/100kg
        -生年月日:1974年10月3日
        -投打:右投右打 -ポジション:外野(主にレフト)

    -特徴
        -ホームランを打った後の"アインーン"や”ゲッツ”などのパフォーマンスが印象深く、ラミちゃんとしてファンにも愛された選手である

        -明るいキャラクターからは想像できないような研究熱心な部分もあり、日々投手だけでなく相手捕手を研究し、常に配球を読みながら打席に立つような頭脳派の選手である

        -守備には目をつむることも多いが、打撃は首位打者を1度、本塁打王を2度、打点王を4度獲得するほどの一流打者である

        -大きなケガもなく、プロ野球生活13年通して、3割、30本、100打点近く打てる選手である

    -主なタイトル・記録
        -首位打者 (2009年)
        -本塁打王(2003年、2010年)
        -打点王 (2003年、2007年、2008年、2010年)
        -最多安打(2003年、2007年、2009年)
        -最優秀選手(2008年、2009年)
        -ベストナイン(外野手部門:2003年、2007年、2008年、2009年)

     -通算成績 (打撃)
年度 所属球団 試合 打席 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 盗塁刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺打 打率 長打率 出塁率
2001 ヤクルト 138 547 510 60 143 23 0 29 253 88 1 2 0 5 27 5 132 11 .280 .496 .320
2002 ヤクルト 139 569 539 65 159 25 0 24 256 92 0 4 0 4 22 4 146 10 .295 .475 .325
2003 ヤクルト 140 614 567 105 189 34 3 40 349 124 4 6 0 7 34 6 104 14 .333 .616 .373
2004 ヤクルト 129 557 525 79 160 30 2 31 287 110 2 0 0 2 23 7 118 22 .305 .547 .341
2005 ヤクルト 146 629 596 70 168 19 1 32 285 104 5 1 0 3 23 7 121 13 .282 .478 .315
2006 東京ヤクルト 146 636 603 79 161 28 2 26 271 112 0 0 0 10 19 4 104 28 .267 .449 .289
2007 東京ヤクルト 144 628 594 80 204 41 3 29 338 122 0 0 0 5 23 6 106 14 .343 .569 .371
2008 読 売 144 600 548 84 175 28 0 45 338 125 1 0 0 3 39 10 90 20 .319 .617 .373
2009 読 売 144 608 577 66 186 35 0 31 314 103 4 3 0 6 21 4 88 12 .322 .544 .347
2010 読 売 144 606 566 93 172 28 0 49 347 129 1 2 0 7 21 12 98 14 .304 .613 .338
2011 読 売 137 515 477 39 133 12 1 23 216 73 2 1 0 5 30 3 72 9 .279 .453 .322
2012 横浜DeNA 137 504 476 40 143 25 0 19 225 76 0 0 0 3 18 7 60 18 .300 .473 .333
2013 横浜DeNA 56 139 130 6 24 0 0 2 30 14 0 0 0 1 8 0 20 7 .185 .231 .230
通 算 1744 7152 6708 866 2017 328 12 380 3509 1272 20 19 0 61 308 75 1259 192 .301 .523 .336
(「一般社団法人日本野球機構公式HP」より引用)


|打撃理論・独自の練習

    -重心は後ろ足にかける。
      構えた際の重心は後ろ足70%、前足30%としている。
       (これにより、左足をステップした際に体の動きや目線の移動が少なくなる。)

    -ボールを体の後ろ(へその位置あたり)でとらえて、センターから逆方向に打つイメージ。後ろでインパクトすることでボールに対して体を突っ込ませないようにしている。
(こうすることでボールを長く見ることができ、確実性のあるバッティングが可能となる。)

    -スイングの軌道としては、バットを立てて振るイメージ。
    このために、ラミレス選手は練習時や打席に入る前に腕の動きを意識している。具体的には、右腕をボクシングの右ストレートのように手首を内側にねじりながらまっすぐ前方に突き出すイメージを意識している。(右打者の場合)
 ラミレス選手いわく「どんな状況でもレベルスイングをすることが大事」であり、この動きをしてから早いインコースにもうまく体が反応できるようになったとのこと。

 ※この腕の動きは中村紀洋選手のバットを縦に振る理論と似ている。ただし中村選手は縦に振りつつ、体の前でボールを捉えるイメージだが、ラミレス選手はできるだけ後ろでとらえるイメージの違いがある。

    -トップの位置をつくるまで、手と上半身はできるだけ動かさない。
    具体的にはバッティングの構えの時点からバットを後ろに引いておく。これにより、構えた所からあまり手を動かさず、そのままボールに向かってバットを振り下ろすことができる。また上半身もスイング始めるまで構えの位置からあまり動かさないようにすることで、無駄な動作を無くしてシンプルにスイングしている。

|スイング参考動画


|考察    

    -ラミレス選手は、自らの弱点(三振の多さ)に対して自分なりに考えて研究し、練習によって克服してきたた。このような努力がプロ野球で長きにわたって好成績を残していたことの理由であると強く感じた。

    -ラミレス選手が理想とするスイングはだいぶ窮屈なイメージ(バットを立てながらトップから一直線にスイングし、体の後ろでミートする)である。しかし、それにより確実性を強化し、持ち前のパワーでホームランにしてきたと感じた。

 -もともとパワーが弱いバッターにとってラミレス選手の全てを取り入れるのは難しいかもしれないが、1つの理論としてトップの位置のつくりかた(構えからトップの位置をつくりこむ)や、腕の使い方(まっすぐ前に押し出す)は覚えておくべきだと感じた。

読んでいただき、ありがとうございました。

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