【和田一浩】絶対にやっちゃいけないスイングとは?

独特のフォームから安定した打撃成績を残していた和田一浩。 
今回はこの打者について打撃理論を紹介する。

 |特徴と成績

    -体格・生年月日
        -身長/体重:182cm/90kg
        -生年月日:1972年6月19日
        -投打:右投右打 -ポジション:外野(主にレフト。入団当初は捕手。)

    -特徴
        -”ベンちゃん”の愛称で親しまれ、オープンスタンスから独特の間合いをとってボールをはじき返す打撃フォームが特徴である

        -打率3割ホームラン30本近くを継続的にたたき出す、通算打率.303の安定した打撃に定評がある。ミートポイントが体の後ろであるため、広角に長打を打つことができる

        -中日時代に落合監督から、腰を痛めないスイングをするよう指摘され、特徴であったオープンスタンスからスクエアスタンスへのフォーム改造に取り組んだが結果が出ず、若干オープンスタンス気味のフォームに戻った

    -主なタイトル・記録
        -首位打者 (2005年)
        -最高出塁率 (2010年)
        -最多安打 (2005年)
        -最優秀選手 (2010年)
        -ベストナイン(DH部門:2002年、外野手部門:2003年 - 2006年、2010年)

     -通算成績 (打撃)
年度 所属球団 試合 打席 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 盗塁刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺打 打率 長打率 出塁率
1997 西 武 17 22 21 2 4 1 0 0 5 2 0 0 1 0 0 0 4 0 .190 .238 .190
1998 西 武 36 57 51 8 17 2 0 3 28 8 3 1 2 0 4 0 11 3 .333 .549 .382
1999 西 武 20 53 48 5 13 2 1 0 17 3 3 0 1 1 3 0 8 1 .271 .354 .308
2000 西 武 55 189 170 20 52 10 0 1 65 24 9 2 0 3 15 1 17 6 .306 .382 .360
2001 西 武 82 236 206 36 63 7 2 16 122 34 5 5 5 2 23 0 23 6 .306 .592 .372
2002 西 武 115 472 439 64 140 25 2 33 268 81 5 3 2 3 27 1 74 14 .319 .610 .357
2003 西 武 126 540 468 87 162 34 5 30 296 89 8 5 0 3 66 3 46 10 .346 .632 .428
2004 西 武 109 473 394 79 126 21 1 30 239 89 6 2 0 4 71 4 59 14 .320 .607 .425
2005 西 武 129 542 475 80 153 32 3 27 272 69 3 3 0 5 60 2 66 17 .322 .573 .397
2006 西 武 131 566 484 72 144 34 2 19 239 95 3 3 0 4 78 0 84 14 .298 .494 .392
2007 西 武 138 548 501 77 158 23 1 18 237 49 7 1 0 2 42 3 65 22 .315 .473 .370
2008 中 日 136 560 520 60 157 34 4 16 247 74 1 2 0 4 34 2 71 16 .302 .475 .345
2009 中 日 144 592 517 73 156 24 4 29 275 87 5 2 0 5 68 2 56 16 .302 .532 .382
2010 中 日 144 602 505 94 171 29 2 37 315 93 5 0 0 5 92 0 77 12 .339 .624 .437
2011 中 日 131 522 444 49 103 24 4 12 171 54 6 3 0 4 72 2 64 12 .232 .385 .339
2012 中 日 144 586 508 52 145 32 2 9 208 63 2 0 0 6 71 1 72 14 .285 .409 .370
2013 中 日 142 581 495 63 136 21 2 18 215 76 2 2 0 7 77 2 63 26 .275 .434 .370
2014 中 日 90 356 302 40 85 12 2 16 149 65 2 1 0 5 45 4 38 11 .281 .493 .376
2015 中 日 79 234 218 16 65 8 0 5 88 26 1 0 0 0 14 2 40 9 .298 .404 .346
通 算 1968 7731 6766 977 2050 375 37 319 3456 1081 76 35 11 63 862 29 938 223 .303 .511 .381
(「一般社団法人日本野球機構公式HP」より引用)

|打撃理論

    -バットを振る力をつける。
      和田選手いわく「まずは振る力をつけること。それがないと、いいスイングはできません。振る力や技術がないと、手が痛くて極端に前で打とうとしたり、詰まるのが嫌で変にバットをこねたりする。」とのこと。
       このためには、素振りにより筋力をつけることはもちろん、構えてからトップをつくるまではしっかり手を後ろに引きテークバックをとることが大切である。この際に強く振ろうと肩も回さないようにすることが大切。(肩を回すと手が体の裏に入ってしまう)


    -バットのヘッドを内側から出す。
    和田選手いわく「バッティングには、いろいろな打ち方があるけど、これだけは絶対にやっちゃダメっていうのがある。代表的なものでいえば、インパクトでバットのヘッドが外側から入るスイング。これだと絶対に強い打球は打てない。まずはそこを直さないと。」と話すように内側から出すことは基本中の基本とのこと。
    具体的には、右肘がヘソの前に入るようにスイングする。このようにして、バットを内側から出すスイングにすると打ち損じた打球がフライになりやすい。しかし、フライを恐れずに長打狙いで打つことが大切。
本人によるとこの打撃フォームは「テニスのフォアハンドを参考にしている」と話している。



    和田選手いわく、これは今メジャーリーグで流行りのフライボール革命に通じるという。日本の指導者がよく口にするゴロを打てというイメージでスイングするとバットがドアスイングしやすくなるので注意する必要がある。

    -後ろの手の使い方が大切。
    和田選手いわく「バッティングを極めようと思うなら、後ろの手でボールを押し込むように打てないとダメ。その方がミートポイントも近くにできる。日本人選手でいえば、(右投げ右打ちの)浅村(楽天)や鈴木誠也(広島)は素晴らしい打ち方をしている。」とのことである。
 ※左打者ではうまく後ろの肘をたたむ金本知憲選手や、後ろの手で押すという高橋由伸選手の理論と似ている。

|独自の練習・指導

    -最初に全体的なバランスを見て、本人に合った表現をする。
 人によって上からたたきつけろ、とかしたから振れとか指導を変えるとのこと。これは人によって感覚と体の動きの連動の仕方が異なるためである。
 和田選手いわく「バットを上から出し過ぎる選手には、下から打てって言うし、下から出過ぎる時は上から打てって言う。」と話し、人の感覚と体の動き方に応じた指導を勧めている。

    -右投げ右打ちと、右投げ左打ちの指導の違い。
    基本は同じだが、バッティングは後ろの手が大事とのこと。右投げ左打ちは利き手が前の腕(右手)となるため、押し込むための後ろの腕を器用に使えない。そこを考慮したうえで教える必要がある。このように利き手や目指すべきタイプに合わせることも大切である。

|スイング参考動画


|所感

    -このブログにも書いているが、一流と言われるプロ野球選手でも人によって言っている打撃理論が真逆のこともある。和田選手はこういった理論の相違について、われわれの受け取り方のヒントを与えてくれているように感じた。
 人によって感覚が違う、また感覚をバッティングフォームに落とし込んだ際の体の動きも違う。このことを頭に入れたうえで、自分の感覚・動きと照らし合わせて練習していく必要があるようだ。

    -そのようにさまざまな理論はあるが、その中でもどの選手も肯定し、一致している理論(しっかり振ること。体の内側からスイングするなど)や絶対にやってはいけない事もある。
    そのような本質的な理論を軸に自分でアレンジが上手くできた選手が将来のプロ野球選手になっていくのだろう。

    -改めて、このブログで1つでも多くの本質的な理論を提供できるよう、もっと記事を更新していく必要があると強く感じました。。

読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

↓ポチッと応援お願いします


にほんブログ村 野球ブログ 野球論へ