・飛距離をアップさせるため、バットの角度とバックスピンの関係について、物理学の研究から紐解いてみた。
・バットの角度によるバックスピンの質の違いはあまり見られなかった。
スピンをかけるにはバットはどんな角度で振ればベストか?
はじめに(キレイなバックスピンをかけるには)
中京大学の研究(調査結果)
研究内容としては、野球の打撃についてボールをミートする際のバットの角度でどれだけスピンが変わり、打球の伸びに影響するかを計測しました。
つまり、どのようなバットの角度でボールを捉えれば、より飛距離のでる打球が放てるかの実験です。
実験方法としては、さまざまな角度で固定したバットにピッチングマシーンから発射されたボールを当て、打球のスピンを計測しました。
バットの角度としては下の絵のように水平方向や40度に傾斜させた角度のバリエーションで計測しました。
実験の結果、
・ミート時のバットの傾斜角度による打球のスピンに大きな違いは見られなかった(まっすぐなスピンとサイドスピンの回転数の差は7rps程度)
※rps(revolutions per second):1秒間の回転数
・このわずかな差のために、並行にバットを振ろうとすると、スイングスピードが落ち、そもそもボールのスピン数も落ちてしまう。
・このため、サイドスピンを減らすために平行にバットを振ることを意識するのではなく、サイドスピンは許容し、打球の速度を高めるためにバットスイングの速度自体を増大することが大切である
ということが述べられています。
ミート時のバットの角度はあまり意識せず、いかにスイングスピードを高めるか、そしていかにボールを確実にミートするかの方が重要ということですね。
「回転をかけよう」とか「ヘッドを地面と平行に保って綺麗にスピンをかけよう」などは物理的にはあまり意味はなく、「確実にミートし、バットを速く振る」ことが重要ということですね!
※研究論文「野球の打撃におけるインパクト時のバットの上下方向の傾斜が打球の回転に及ぼす影響」(2020年発表 中京大学)より
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