【野球×物理学】ぐんぐん打球が伸びる!良いバックスピンのかけ方


この記事のまとめ

・飛距離をアップさせるため、バットの角度とバックスピンの関係について、物理学の研究から紐解いてみた。

・バットの角度によるバックスピンの質の違いはあまり見られなかった。


「打球の飛距離アップには、ボールの下を叩いてスピンをかけろ」とよく言われますが、
スピンをかけるにはバットはどんな角度で振ればベストか?

とふと思い調べたところ、面白い研究がありましたので今回みなさんに紹介したいと思います!

はじめに(キレイなバックスピンをかけるには)

打球の飛距離アップの要素としては、打球の速度と発射角度が重要であると「フライボール革命」で説明しましたが

同一速度・同一角度で打球を放った場合、バックスピンの回転数が多いほうが打球の飛距離が出ることをネイサンの研究結果の記事で紹介しました。




このように、ぐんぐん伸びる打球を放つには、打球の回転数も無視できない要素であると述べています。

しかし、ネイサンの研究ではバットは平行にスイングすることを前提している一方、実際のスイングではコースによってバットの角度が変わります

センター方向に打つとして、いったいどのような角度でバットをスイングするのがベストなのか?
中京大学でおもしろい実験が実施されていたため、今回紹介していきたいと思います。



中京大学の研究(調査結果)

この章では中京大学で実際に研究された結果を簡単に紹介させていただきます。

結論(どんなスイングをすれば打球が伸びるスピンをかけれるか)だけを知りたい方は読み飛ばして次の章「バットの角度以外を追求すべき(結論)」をご覧ください。





中京大学の研究(2020年実施)

研究内容としては、野球の打撃についてボールをミートする際のバットの角度でどれだけスピンが変わり、打球の伸びに影響するかを計測しました。


つまり、どのようなバットの角度でボールを捉えれば、より飛距離のでる打球が放てるかの実験です。


実験方法としては、さまざまな角度で固定したバットにピッチングマシーンから発射されたボールを当て、打球のスピンを計測しました。

バットの角度としては下の絵のように水平方向や40度に傾斜させた角度のバリエーションで計測しました。


実験の結果、


ミート時のバットの傾斜角度による打球のスピンに大きな違いは見られなかった(まっすぐなスピンとサイドスピンの回転数の差は7rps程度)

※rps(revolutions per second):1秒間の回転数


・このわずかな差のために、並行にバットを振ろうとすると、スイングスピードが落ち、そもそもボールのスピン数も落ちてしまう


・このため、サイドスピンを減らすために平行にバットを振ることを意識するのではなく、サイドスピンは許容し、打球の速度を高めるためにバットスイングの速度自体を増大することが大切である


ということが述べられています。


ミート時のバットの角度はあまり意識せず、いかにスイングスピードを高めるか、そしていかにボールを確実にミートするかの方が重要ということですね。


「回転をかけよう」とか「ヘッドを地面と平行に保って綺麗にスピンをかけよう」などは物理的にはあまり意味はなく、「確実にミートし、バットを速く振る」ことが重要ということですね!


※研究論文「野球の打撃におけるインパクト時のバットの上下方向の傾斜が打球の回転に及ぼす影響」(2020年発表 中京大学)より


それでは改めて次章で結論をまとめたいと思います!

バットの角度以外を追求すべき(結論)

研究結果より、サイドスピンを減らすことも大切ですが、現実的にはスピン量を増やすためにバットのスイングスピードを向上させることが飛距離UPには大切であるということが分かりました。



フライボール革命でも紹介した、飛距離や打率アップにはスイングスピード(とボールの発射確度)が大切であることと通じていますね!

この実験の結果からもわかるよう「スイングスピード」、「ミート力」この2つが打撃の基礎であり、追求すべき要素であると見えてきたような気がします。

これからもみなさんの野球スキル向上のヒントになるものを紹介していければと思います!

読んでいただき、ありがとうございました。

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