プロ野球史上1人しかなしえなかった3度の三冠王を獲得した落合博満。
今回はパート(3)に引き続き、打撃理論を紹介する。
|パート(1)(2)(3)の振り返り
そのためには深いトップをつくること、ムダなく一直線に振り出すこと、大きなフォロースルーをとることが大切であると話した。
そのためには投手の動きとボールの軌道を"景色”としてみること。そしてバッターボックスの足場を常に同じ状態に整えることが大切であると話した。
そのためにはピッチャーの動きに対して始動を早めに取りゆとりを持つこと。そして意識は常に内角高めにおいておくことが大切であると話した。
|打撃理論(4)「正しい軸足の使い方」
-今回は落合博満氏の第四弾として、下半身の使い方についてその理論に迫っていこう。
-落合氏は「バッティングにおいて技術的にどこかが崩れた場合、その原因はすべて軸足の使い方が悪くなっているからだ」と話す。
-そう、打撃が不振となり技術的にトップの位置が下がったり、タイミングが取れなかったりすることはその99%が軸足によるものだと断言している。
-落合氏は、軸足の使い方が上手い選手と言われて広島の前田智徳選手の名前をあげたが、それ以外に上手いと言える選手は見つけることができなかったという。
ではプロ野球選手でもそれほど難しい軸足の使い方について、落合氏の理論はどういったものであったのか。具体的に見ていこう。
-体の中心線を動かさないこと
落合氏は理想的な軸足の使い方について、体の中心線を動かさずスイングすれば自然ないい回転で強い打球をはじき返すことができると話している。
具体的には以下のポイントが大切であると語っている。
①ステップしたときに体の中心線は動かさない
以下の理想的な軸のイメージを参考にしてほしい。以下の通り構えた状態とステップした状態を比べると、目線は下がるが、体の中心線は移動していない。
<落合氏の構え→ステップ→スイング後の写真>
こうすることで上半身のブレがなくなりバッティングの形が崩れにくくなるという。そして、パワーロスも無くなり100%の力でボールを叩くことが可能となる。
調子を崩している選手は、無意識に早くボールに当てようという思いや、力んでスイングする傾向があるため中心線が前に移動してしまう。
腕の位置やスイングの軌道などの改善の前に、まずこの中心線を移動しないよう直すことが先決であり、基本となる。
②親指の付け根の内側で地面に接して立つ感覚
体の中心線を動かさずにスイングするためにもうひとつ大切な要素は、足裏のイメージである。
落合氏は「両足とも親指の付け根の内側で地面に接して立つという感覚」が大切と話している。
ステップした後、捕手寄りの足(軸足)でしっかり回転を支えるためには、もっとも力が入る親指の付け根の内側を使うことが大切なのである。
落合氏は、練習で親指の付け根にタコができるのがいい打者の条件とも話している。
そしてさらに意識することは、
③スイングする際は、右足の内側から左足の内側へ体重を移す(右打者)
ことである。
落合氏は、ステップしてからスイングする際の体重移動について「右足の内側から左足の内側へ移す」イメージであったと話している。(右打者の場合)
つまり、足全体で体重移動するイメージでなく、足の内側だけで体重を移すイメージとすることでスイング中も中心線が前後に移動せず回転することができるのである。
以上のように、体の中心線が打撃フォームの基礎であり、常に自分の調子が崩れた時に見直すべきところなのである。
|スイング参考動画
それでは、続編となる落合博満(5)もお楽しみに。
読んでいただき、ありがとうございました。
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