プロ野球史上1人しかなしえなかった3度の三冠王を獲得した落合博満。
読んでいただき、ありがとうございました。
今回はパート(10)に引き続き、打撃理論を紹介する。
|パート(1)~(10)の振り返り
|打撃理論(11)「"踏み込む"と"ため"に関する誤解」
-今回は落合博満氏の第十一弾として、指導者や選手が誤解している2つのキーワードについて、落合氏の理論を見ていこう。
-「踏み込む」=ホームベース寄りにステップすることではない
落合氏は”踏み込む”ということについて誤解している選手が多いと話している。
これはいったいどういうことか。
たいていの選手は、指導者から「しっかり踏み込め」と言われると打ちに行く際、投手寄りの足をよりホームベース側にステップしてスイングするだろう。
これはある意味間違いではないが、本質的には”踏み込む”という概念を誤解していると落合氏は話している。
落合氏は「打ちに行く際に投手寄りの肩のライン、腰のライン、ヒザのライン、そしてステップした足のつま先のうち、どこか外側へにげてしまうと、たとえクローズドにステップしていても踏み込んでいるとはいえない。」と話している。
また「反対に、これらが崩れず、しっかりとパワーをためた状態になっていれば、オープンにステップしても踏み込んでいるということになる。」と"踏み込む"という概念を表現している。
つまり、投手寄りの足をホームベースよりにステップするのではなく、体全体がボールに向かって力を伝える体制に持っていくことを"踏み込む"ということである。
そして、2つ目に落合氏が誤解が多いと話していたのはこれである。
-「ため」=投手寄りの肩をホームベース方向に入れることではない
落合氏はよくバットは手で動かす感覚が重要と話している。
とくにトップを作る際は、バットを持つ腕を捕手寄りにめいっぱい動かすことが大切と話している。
そしてこのような状態、つまり、投手寄りの腕はめいっぱい伸ばし、捕手寄り動かした状態が"ため"であると落合氏は話す。
<正しい"ため">
<間違った"ため">
腕を使わず、投手寄りの肩を動かしてしまっているため、体の内から来るボールが死角となる。
間違ったためでは、左肩がホームベースの内角の部分にかぶさってしまうため、
肩の動きにつられて顔も内側に入ってしまい、内側に死角ができ、ボールが正しく見えなくなる。
昔の打者は"ため"を作る際、肩を内側に入れず腕を捕手寄りに伸ばしてためを作ることが上手かったため、打者の内側からストライクゾーンに入ってくるカーブが絶好球だったという。
しかし、現在の打者は、このボールに対し一瞬ボールが視界から消えるため、見逃してストライクを取られることが多くなったという。
落合氏いわく、このような打者はバッターボックスでスパイク半歩分ホームベースから離れることで死角を減らし、インコースのボールも正しく見極められるようにすべきと話している。
このような"踏み込み"と"ため"に対する誤解をいち早く解消し、正しいスイングを身に着ける必要がある。
3度の三冠王を獲得した落合氏が話す、理にかなったフォームがその近道であると改めて感じた。
|スイング参考動画
それでは、続編となる落合博満(12)もお楽しみに。
読んでいただき、ありがとうございました。
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