プロ野球史上1人しかなしえなかった3度の三冠王を獲得した落合博満。
読んでいただき、ありがとうございました。
今回はパート(8)に引き続き、打撃理論を紹介する。
|パート(1)~(8)の振り返り
そのためには深いトップをつくること、ムダなく一直線に振り出すこと、大きなフォロースルーをとることが大切であると話した。
そのためには投手の動きとボールの軌道を"景色”としてみること。そしてバッターボックスの足場を常に同じ状態に整えることが大切であると話した。
そのためにはピッチャーの動きに対して始動を早めに取りゆとりを持つこと。そして意識は常に内角高めにおいておくことが大切であると話した。
構えてからスイングするまで、体の中心線は前後せず常に固定しておくこと。
自分のスイングができれば立ち位置はどこでもよい。ただ立ち位置を変えても自分のスイングは変えないよう意識する。
正しい壁の作り方としては、インパクトまでは壁を作ってしっかりボールを待つ。そして腕が伸びきったインパクト後はパワーを逃がすように壁を無くすことが大切である。
ボールに対しスムーズにバットが出るよう、トップからインパクトまでは捕手寄りの腕をたたみ、フォロースルーではその腕を上手く前に抜くイメージが大切である。
こうすることでバットのヘッドが下がらず、速球にも力負けせずスイングすることができる。
|打撃理論(9)「オープンスタンスについて」
-今回は落合博満氏の第九弾である。野球人ならだれもが悩む、”スタンス”について落合氏の理論に迫っていこう。
-今回は特にオープンスタンスについて、落合氏が話すそれぞれのメリットとデメリットについて紹介していきたい。
落合氏の考えるオープンスタンスのメリット・デメリットは以下の通りである。
|オープンスタンスのメリット
・両目でボールをとらえやすくなり、スクエアスタンスと比べて正面でボールを見ることで落合氏が重要と話していた”目の錯覚を削減”することができる。・上半身を投手に正対させることができるため、フェアグランド全体を見渡すことができ、目の前の視野が開けてバットが出やすくなる。
|オープンスタンスのデメリット
・バットをトップの位置に入れる際、スクエアスタンスと比べて投手寄りの肩を捕手側に入れる角度が大きくなり、視界が変わりやすい。
・体を開いた分、トップを作る際は体をひねるため、数ミリ秒ではあるがスイングまでの時間がスクエアスタンスよりも長くなる。このため、アウトコースはそれほど苦にならない反面インコースにはタイミングが間に合わず詰まることが多くなる。
とくにインハイの速球に差し込まれないように対応すべきだと落合氏は話している。
・投手がクイックで投げた場合など、よりタイミングが遅れてしまうため、自然にトップを作る動作を急ごうとし、”手打ち”になり易い。落合氏いわくこれでは何とか対応できても、強い打球を打てくなると話す。
つまり、落合氏が大切にしている"しっかり振る"ことができなくなる。
|落合氏のアドバイス
-インサイドとアウトコースの高めに来るボールに照準を合わせる
落合氏は、オープンスタンスの場合「インサイドとアウトコースの高めに来るボールに照準を合わせておけば、速球だろうが変化球がろうが十分対応できると考えられる」と話している。
そして「右打者の場合は、打ち返すターゲットを左中間からライト方向と考えるべき」と右方向を意識するよう話し、
イメージとしては「バットを中から外へ出す、極端に言えばストライクゾーンに向かってバットを放り投げてやること」を意識すれば広角に打てるだろうと話している。
-自分のリズムを守り、軸足に体重を乗せる時間を確保すること。
投手がクイックモーションなどで急いで投げてきたとしても、それに合わせて自分も急いではいけない。
落合氏は、「自分のリズムも大切にしながら、相手投手に合わせてどんなリズムでスイングするか身に付け、決して立ち遅れないようにすること」が大切と話している。
あくまで相手のタイミングに自分が合わせてスイングするのではなく、素振りで練習しているタイミング・フォームでスイングできるよう始動を早めるなど意識して対応していく必要がある。
|スイング参考動画
それでは、続編となる落合博満(10)もお楽しみに。
読んでいただき、ありがとうございました。
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